こんにちは!今回は気象予報士試験 第61回 実技1 問1を解説します!
記述式問題は以下の項目でカテゴリー分けします。
実技試験記述5型
基本セット:どこで(場所・高さ・時刻)+ なぜ(原因・背景場)+ 何が起きている(現象)
- 分布型:「A側では ○○ であり、一方 B側では △△ となっている。」
- 時間変化型:「◯時には A であったが、△時には B となり、A から B へと変化した。」
- メカニズム型:「〜ため、□□が強まり、その結果△△となる。」
- リスク型:「〜ため、◯◯のおそれがあり、△△への注意(警戒)が必要である。」
- 構造型:「◯◯付近の ◇◇hPa で気温減率が小さい安定層の上端となっており、ここが前線面に対応する。」
こちらの記事を参考⇒【実技試験講義No.1】気象予報士試験実技試験記述5型 – 独学資格塾
(1)解説
◇模範解答
(気象概況の空欄解答)
① 35
② 東
③ 海上暴風
④ 海上濃霧
⑤ 0.3
⑥ 24
⑦ バルジ
⑧ 高
⑨ 8
⑩ 弱い
⑪ 6
◇解説
図1(22日09時と21時の地上天気図)をもとに、日本付近の気象概況をまとめる問題です。空欄①は九州の南にある低気圧の移動速度で、図中の英文注記に 35KT(35ノット)とあるため「35」と記入します。②は低気圧の進行方向で、矢印の向きをそのまま読み「東(進)」とします。③と④は発表中の海上警報で、図中の SW は「海上暴風警報 (Storm Warning)」、FOGW は「海上濃霧警報 (Fog Warning)」を意味します。それぞれ空欄の後ろに「警報」と書かれているので、警報名の「海上暴風」「海上濃霧」を記入します。⑤と⑥は警報の発表基準値で、海上濃霧警報の視程しきい値が 0.3海里、今後24時間以内になると予想されていることから、それぞれ「0.3」「24」と数値のみを入れます。⑦は図2(気象衛星赤外画像)に見られる雲の形状に関する設問です。選択肢には「バンド(筋状)」「セル(塊状)」「バルジ(膨らみ状)」などがありますが、低気圧北側の雲域は高気圧性に弧状に膨らんだ特徴があるため「バルジ」状と判別します。⑧は同じ衛星画像中の雲頂高度の高さで、赤外画像で雲が白く写っている=雲頂高度が高いことを示すため「高」と記入します(「高い」ではなく一文字の「高」)。⑨は図2中の全層の雲量を答える設問で、記号「●」は雲量8を示し、下層雲の雲量は下層雲の記号の右側に記載されているため「8」とします。⑩は現在天気の強度に関する設問で、図2には雪の現在天気記号(弱い降雪)が付与されているため「弱い」を選びます。⑪は温暖前線の位置に関する設問です。図1の温暖前線と図2の地上気温分布を照らし合わせると、前線はおおむね6℃の等温線と重なることが分かります。したがって空欄には「6」と記入し、以上で(1)の気象概況穴埋め問題は完成です。
(2)解説
◇模範解答
①「雲域付近では、北東の風と東南東の風が収束し、上昇流となっている。」
② 雲底高度:730 hPa
◇解説
①図3(22日15時の関東地方付近の地上解析図)では、関東南部から関東の東海上にかけて雲域が見られ、その発生要因を問うています。模範解答①の通り、雲域付近では北東風と東南東風の風向きがぶつかりあっており、風の収束による上昇流が発生しています。実際に図3の風向をトレーシングペーパー等でなぞってみると、房総半島南方沖に北東風と東よりの風の境界(風のシアーライン)が描け、その線付近で風が収束していることが分かります。この収束帯に沿って空気が持ち上げられ、雲が発生しているわけです。
②この雲域の雲底高度を図4(ウィンドプロファイラの鉛直断面図等)から推定します。湿数3℃以下の状態が鉛直に続く範囲においては雲が発生していると推定され、したがって、雲頂高度や雲底高度も推定することができます。図4では八丈島などでの低層雲のエコー高度が示されており、約730 hPaの高さに雲頂があることが読み取れます。したがって模範解答②のように「雲頂高度: 730hPa」となります。
記述式解答のポイント: 3点セット形式(メカニズム型) どこで: 関東地方南部から東方海上の雲域付近(22日15時・地上付近)。なぜ: 北東風と東南東風の風向がぶつかり合い収束したため。何が起きている: 収束により空気が持ち上げられて上昇流が生じ、この付近で雲が発生しています。また雲頂高度は約730hPaと推定され、低層まで雲が成長している状況です。
(3)解説
◇模範解答
① 高度:970 hPa、湿数:6 ℃
② 「東京上空では、気温が0℃以上の層が薄く、かつ乾燥している。」
◇解説
①図5は22日09時の東京都上空のエマグラムを示した資料です。(3)(1)では、このエマグラムから「0℃以上の層の高度」と「湿数(気温と露点温度の差)」を読み取ります。エマグラム上で気温0℃となる高度は約970 hPa付近で、露点との差も約6℃であることが分かります。したがって高度:約970 hPa、湿数:約6℃が解答となりました。ここで湿数6℃とは、相対湿度に換算すると50%程度であり、かなり乾燥していることを意味します。
②この東京上空の気層の特徴を一文で述べます。模範解答の通り「東京上空では、気温が0℃以上の層が薄く、かつ乾燥している。」と記述します。具体的には、0℃を超える暖気層が高度970 hPa以下のごく低い層に限られており、その上は氷点下の寒気層になっていること、さらに大気が乾いている(湿数が大きい)ため雪を融かす熱が不足する状態です。これは降水粒子が落下中に融解しにくいことを示唆します。実際、当日の東京では降雪が観測されており、エマグラムからも上空の暖気が乏しく乾燥していたため雪が溶けずに地表まで達したと解釈できます。
記述式解答のポイント: 3点セット形式(メカニズム型) どこで: 東京の上空(22日09時、エマグラム上の大気鉛直構造)。なぜ: 気温0℃を超える暖気層の厚みが非常に薄く、さらに空気が乾燥しているため、降水の融解・蒸発による十分な加熱が起こらなかった。何が起きている: 地表付近では降水が雨ではなく雪として観測されました。これは東京上空の0℃以上の暖気層がごく薄く高度970hPa程度までしか存在せず、それより上は氷点下の寒気かつ湿数約6℃と乾燥した層であったため、落下する雪片が溶けきらず雪のまま降ったためです。
以上です!独自解説とAIを組み合わせ解答・解説を作成しています。訂正・ご意見あればコメントやご連絡いただけると幸いです。皆で最高の独学環境を作り上げていきましょう!
